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乳癌闘病記録

「肉体変容の覚書」⑨病理結果と今後の治療編│自己メンテナンス

乳がん闘病の記録、第9弾です。

前回までの記事はこちらへ。
➀検査編
②続・検査編
③術前化学療法編(DOC療法1クール目)
④術前化学療法編(DOC療法2クール目)
⑤術前化学療法編(DOC療法3~4クール目) 
⑥術前化学療法編(EC療法1~4クール)
⑦化学療法治療結果と術式決定編
⑧手術入院編

【前回記事終了時点の状況】
・手術が終了し退院。リハビリ継続中。
抗がん剤による副作用:アトピーのような発疹がまだ少し残る。両手足の爪は硬度が通常の硬さに戻った。もう爪でプルトップ引っかけて持ち上げても大丈夫。変形と変色はまだ残る。毛髪、眉、まつ毛は新しい毛が伸びて更に黒々してきた。現在の髪の長さは2cm前後。芝生みたいにフサフサしてきた。(笑)
手術による副作用:左腕内側の神経と筋肉の痛み。腕の可動範囲は、退院直後は真上に上げるだけで精一杯。→退院一か月で腕をゆっくり回せるようになり、ほぼ通常通り動くようになった。筋肉と神経の痛みはマシになったがまだ残る。脇の下の感覚が少し鈍い。手術創の硬くなった部分が時々痛む。
・術後一か月で、手術で落ちた体力が、普通に車で買い物に行ける程度まで回復。
・ていうか、今一番辛いのは花粉症だったりする。。orz 退院した直後から花粉症を発症。花粉症の薬をかかりつけの耳鼻科で貰って服用中。

【本題】
前回の記事で書けなかった事を少し。
落ち着いた今だから書けることを少し書きます。
手術の創ですが、左乳房の大きさ、実はほぼ変わっていません。ちゃんと胸あります。(笑)
実は私の胸は左右の大きさが違ってて、元々左胸の方が大きかったのです。ブラ買う時にカップの大きさでどちらに合わせるか悩むこともあった。
それが今回の手術で胸を切ったら、大きさがほぼ左右同じくらいになりました。。(笑)
でも、乳首のすぐ下を切開してえぐったので、少し陥没してます。正面から見たら違和感ほとんどないのですが、上から見下ろすと山の頂上が凹んだ感じ。バストトップが足りませんね。乳輪に添って切開して、縫合する時にバストの皮膚を下から持ち上げて縫い縮めるようにしてあるので、創の部分は少しよれていびつになってますけど、年月が経つと肌の表面も滑らかになって落ち着いてくるのかな?

それでも、「胸がある」という安心感は何事にも代えがたい。。だって胸が残ったという事は、抗がん剤治療をがんばった証でもあるわけです。もがき苦しんだ半年間の辛い治療が無駄にならなかった、というだけでも自分的にはとても報われた気持ちでいます。「胸を残す為にがんばる」っていう目標が無いと、抗がん剤の痛みや辛さには耐えられなかったしね。
髪の毛や爪はまた生えてくるけど、胸は切り取ってしまったらもう二度と戻ってこないからねぇ。。

抗がん剤って本当に、治療期間が長くなればなるほど辛いです。身体がどんどん消耗していきますから。
DOC療法が終わって、続けてEC療法に切り替わり、自分の体に点滴を流し入れた時に、不意に涙が出てきてしまいました。直前まで悲しいとも思ってなかったのに。
その時に、これ以上抗がん剤を続けたら、もう心身が持たないな。と思って。
このECが終わって、6か月の抗がん剤治療が終わったら、次にもし抗がん剤が必要だと言われても、もう拒否しよう。と思いました。正直なところ、また頑張って治療しようという気には到底なれない。期間限定だからこそ頑張れた治療でした。

手術もね。手術中は意識が無かったけど、終わって意識が戻ると、確実に時間が経っているのだな、という事はハッキリと解って、頭は覚えていなくても、体の方は手術中の辛さを覚えているような感覚がしました。ので、終わった直後はホッとして、少し涙が出ましたね。

私の体、本当によく頑張った。
夫は「がんばったね」って言ってくれないから自分で褒めとく。

私の場合は、胸の創よりリンパ節を切除した手術創の方が大変です。
リンパ取るとホント不自由ですね。。腕や脇の神経が痛んだり、逆に感覚がなくなった箇所もあり、重いものを持てないというハンデも抱える事になり。。かといって運動しないでいるとリンパが滞ってしまう。。色々と気を使ってしまいます。なるべく普通に暮らすのが良いと分ってはいますが。平気な顔して頑張っていると「もう平気なんだな」と思って家族は助けてくれないので、自分で気をつけていないと。。リンパ浮腫になっちゃうからね。

で、私の場合は部分切除で、癌の発生源巣部分と転移したリンパ節だけを取り除いて他は温存したので、手術後の放射線治療とホルモン治療は必須となります。
この一か月間は、左腕のリハビリをしながら、治療の中休みのような期間でした。これからまたしばらくの間、治療で忙しくなります。

■2019年3月25日 乳腺科受診・病理結果判明・リハビリ科受診
・夫と二人で乳腺科を受診。
・病理結果とは、手術で切り取った癌細胞を詳しく調べた結果の事。これで実際のステージや癌の進行具合を確定し、次の治療方針を決める。

病理結果(⑦の記事と比べてみてください)
乳癌の広がり:浸潤がん
大きさ:浸潤径30mm
切除断面:陰性(手術で切り取った細胞の断面に癌細胞が無かった)
リンパ節転移:あり(リンパ節13個中1個に転移)
脈管侵襲(血管内に癌が侵入してるかどうか):なし
リンパ管侵襲:あり
ステージ(病期):2B

術前化学療法の効果判定:グレード1a~1b(軽度~中等度)
 ※2aが高度、2bが極めて高度、3が完全奏効。抗がん剤がどれだけ効いたかの目安。

乳癌のタイプ:ルミナールB
       HER2受容体 スコア0
       遺伝子検査 陰性
       ホルモン受容体 ER(エストロゲン)陽性
               PgR(プロゲステロン)陰性
Ki-67(増殖マーカー):7.1%(低<15-20%>高)
 ※癌の増殖速度の目安。20%以下が低速で増殖速度が遅く、20%以上が高速で増殖していると判断される。
核異型度(がんの顔つき):1 (1おとなしい ⇔ 3悪い)

画像診断では23mmと言われていた癌細胞の原巣ですが、実際は30mmありました。
抗がん剤の効き方が、全体的にきゅーっと縮んだわけではなくて、癌細胞のあちこちに穴が開くように効いていたので、切り取った細胞の中に癌が散らばって残っていた状態だったようです。

抗がん剤の効き具合は、正直イマイチだったようです。抗がん剤は癌の増殖速度が速いほど効果が期待できるのですが、私は元々増殖マーカーが28%で、増殖率高めといってもさほどの速さではなかった。それでも約1/3まで縮小して乳房全摘を免れたんだから、結果は良かったんじゃないかな、と思ってます。

今回の結果で増殖マーカーが7.1%まで下がっていましたので、もうこれ以上抗がん剤をやっても効果が無い、という所まで、癌細胞の増殖意欲を下げる事が出来たわけです。これでもう一度抗がん剤をしましょうと言われる事はないわけですね。良かった。

で、「癌のタイプ」に書いてある通り、私は元々ホルモン治療の方が効果がある事が判っていたので、今後はホルモン治療と、同時に放射線治療を並行して行っていきます。

治療方針:全身治療先行
 ・術前化学療法(DOC×4、EC×4)終了→ 手術(乳房部分切除+腋窩リンパ節郭清) → 放射線治療 → 内分泌療法(ホルモン治療)←イマココ(笑)

・手術創の具合を見てもらい、問題なし。お湯につかる許可も出た。
・放射線治療と同時並行でホルモン治療を行う。ホルモン治療薬の影響で子宮内膜が分厚くなる場合があり、子宮がんのリスクが上がる為、定期的に婦人科検診を受ける事になった。癌の治療してるのに別の個所に癌が出来る可能性があるのか。。とか思いながら話を聞く。

内分泌療法で使う薬:ノルバデックス(タモキシフェンクエン酸塩)
エストロゲンの作用を抑える薬です。毎日1錠ずつ飲みます。

内分泌療法における副作用
・無月経、月経異常
・吐気、嘔吐、食欲不振(発症率は低め)
※治療中は生理が止まるのが通常なので、治療中に不正出血があった場合はすぐに乳腺科を受診し、更に強めの薬をお腹に注射してもらう。

私は正直、ホルモン治療はしたくないです。
理由はここには書きませんが。
女性ホルモンを抑える薬を飲むので、副作用として生理が止まります。
今も抗がん剤の副作用で生理止まってるんですが、続けてホルモン治療を5年以上行うと、今の私の年齢ではそのまま閉経してしまう可能性があります。
まあ、私の年齢では普通に考えても、もう子供を産むような年齢ではない事は解ってるんですけどね。。。花の命は短いな。。←

・診察の後、乳がん看護認定看護師さんとお話。これから行う治療について。
・私は以前、抑鬱で通院していた事があるので、ホルモン治療で心が落ち込みやすくなる可能性が高い、という事で、事前に以前通っていた心療内科を受診しておいても良いけどどうする?、という話になる。
・大学病院では、対処療法で漢方のお薬を出してもらえるらしい。漢方薬で間に合わなければ、大学の精神科か以前通っていた心療内科を受診するという流れ。
・とりあえず、治療が始まってから経過次第で受診する、ということになった。
・正直、その場ではどうしようか判断に迷ったんだけど、いきなり精神科系の薬を出されるのも嫌だなあと思い。。話を聞いてもらうという点では、今までずっと内観による自己処理をしてきたので、薬もらった方が楽だと思うまでは自分で何とかしてみようかな、と思った。密かに応援してくれている人達もいるしね。本当にありがとうございます。

・その後、リハビリ科を受診。
・腕の上がり具合を見てもらい、まだ二の腕のツッパリや痛みは残っているが、もう充分腕が動くのでリハビリは終了。と言われる。
・放射線治療で皮膚が硬くなって腕が上がりづらくなったり、腕がむくんできたと思ったら、いつでも気軽に来てください。との事。
・リハビリ技師さんによると、特にしてはいけないスポーツはないそうです。テニスとかで重たいボール打っても大丈夫?と聞いたら「うーん。。腕が完全に回復してれば大丈夫かな」と首をひねってましたが。。「腕の違和感が完全になくなるまでは無理しない事。違和感なくなった後なら大抵の事をしても大丈夫。ただ、重たいリュック背負ったり、脇を圧迫し続けると腕が腫れてくるので、それは避けてください」との事でした。

今後の予定です。

■2019年3月26日 内分泌療法(ホルモン治療)開始
明日朝から薬を飲み始めて、とりあえず1か月間様子見をします。

■2019年4月2日 放射線治療科受診・CT撮影・照射スケジュール調整
この日に放射線治療のスケジュールが整う予定。

■2019年4月5日 婦人科受診
どんな検査するんだろうな。。←内診が大嫌い
専門の先生がいる曜日に受診してくださいって言われたけど。

■2019年4月22日 乳腺科受診
1か月間のホルモン治療の効き具合を判定します。

ホルモン治療の記事はどうやって書こうかなあ。。とりあえず、次は放射線治療の話がメインになるかと思います。

既出かもしれませんが、去年の春、櫻田神社で撮った写真。
フォルダを開けたら、治療始めてから全然写真撮ってない事に気づいた。
毛利庭園の辺りはじっくり見れなかったから、また行きたいなあ。

→「肉体変容の覚書」⑩放射線治療と内分泌療法編 へつづく

 

 

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