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風の小径 詩片

「空に冀望を探す」│詩片

今朝、道路に出たら目の前に大きな虹。

そういえば、北陸は虹多発地帯だった。

天気が安定している太平洋側よりも、
天候が荒れる日本海側の方が虹は出やすい。

こんなに完璧な虹を見たのは、乳がん検診で落ち込んでいた時以来かな。

虹を見ると、自分はこれでいいと勇気づけられた気持ちになります。

今は震災があった折、

千葉県の救急車が、金沢市内を走っているのを見かけました。

遠くからありがとうございます。

『金沢では虹が沢山見える』と教えてくれたのは、私にスピリチュアルの知識を与えてくれた、金沢出身のオーラソーマの先生だった。

「もうすぐ虹が見えるよー?」
と言って私を窓に呼び寄せ、雨上がりに太陽が出てくるのを待っていた。

私はその頃、まだ鬱が完治していなくて、ずっと俯いていたのだ。

都会暮らしの経験がある先生は、
「東京では全然虹が見えないの。金沢は天気が悪いけど虹が沢山見える。とても神秘的な土地だよ」
と教えてくれた。

結局その時は虹が見えなかったけど、

それ以来、車が跳ね上げる小さな水しぶきに、小さな虹が沢山浮かぶのを、よく見かけるようになった。

太平洋側からやってきて、北陸の日照不足に苦しんでいた私の気持ちが、少し変化した瞬間だった。

それからは、私の肉体も、徐々に北陸の気候に慣れていった。

北陸の空は目まぐるしい。
雲の流れが速く、目の前で刻一刻と空模様が移り変わる。
雨が降っている最中に陽が差しこんで、時折虹を作るのだ。

こんな空は、私の生まれ故郷では見れない。

生まれ故郷の空は、晴れの日は雲一つなく真っ青で、
夜になれば星がとてもはっきりと見渡せた。
冬の夜空には毎日オリオン座がよく映えて、とても綺麗だった。

北陸の空は飽きない。
けれど、分厚く黒い雲に遮られて、星がなかなか見えないのが、私にとっては苦痛だった。

だから北陸に来てからは、月ばかり見ている。

ここでは、冀望の星は簡単には見られない。

だからじっと、
凍り付くような寒さに耐え忍びながらじっと、

光を遮る真っ黒な雲が、通り過ぎるのを待つのだ。

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