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【星紡夜話】カスタリアのほとり26・《佐守》始末

彼女の元へ通う日々は続いていたが、
彼女が戦場へ出るのを完全に止めることは叶わなかった。

”研究者”たちが、彼女を使って最後の「実験」をした後、
奴らは勝ち誇ったように、俺を嘲笑った。
「残念でしたね。彼女は自ら死を選んだようだ」

そうか。「自分で」選んだか。

何故か、ホッとした。

突き上げる空虚な感情は腹で押さえ込んだ。

今度は俺が、最後の作戦を遂行する。

数ヵ月後、上層部に提出した作戦案は以下の通り。

目標: 敵中枢部及び関連施設
標的及び遂行任務: 敵上層部全員と、関連施設の関係者全員の抹消。捕獲、捕虜は認めない。
施設データの完全抹消。
上記施設を同時刻に襲撃。
敵の察知を防ぐため、部隊を3つに分割。
囮として1隊が別拠点を襲撃。
2隊が中枢、3隊が関連施設を襲撃。
前線処理は各チームリーダーに委ねる。
作戦遂行後、速やかに退却できない者はその場で抹消。

以上

「昇格」という名目で「左遷」されていたおかげで、
かなり大規模な作戦を立てられる立場になっていた。

その事を後悔する時間を、彼らに与えてはならない。

数日後、何の問題もなく、作戦の認可が下りた。
全ての部隊を投入した、最後の戦い。
作戦遂行の為に移動を始めて数時間後、
各チームリーダーに目標の変更を伝えた。

新たな目標は、上層部が設置されている統合本部と、研究施設。
実戦部隊の各リーダーに、直接協力を求める。
彼らは、あっさりと了承した。
「面白い作戦だ」と。

終わらせたかったのだ。皆全てを。何もかもを。
実戦部隊から「成り上がった」自分だからこそ、
彼らは「面白い」と付いて来たのだろう。

2隊が本部、3隊が研究施設。
1隊は囮として敵施設を襲撃した後、
2隊3隊に合流し、二手に分かれて加勢。

研究施設は徹底的に洗わせた。
一人として逃がさない。
最終目的は、研究施設の全壊。
実験データのひとかけらすら残さない。
自ら戦場に赴き、全てを薙ぎ払った。

今まで命令を下していた者が息絶え、
利用していた者が全て灰と化したとき、
部隊の戦力も、ほぼ壊滅状態になっていた。

全て計算通り。

残った連中で、自ら死を望む者は、自分が楽にしてやった。

それで悪夢が終わるのなら。

自らも傷つき、かなりの量の血液を失っていた。
そう、全てを失った。
失って、初めて気付いた。
さほど氣に止めていなかったもの全てが、
俺の一部であったことに。

彼女への思いが、愛という名のものであったという事に。

知ることにおいては、長けているつもりだった。
が、それを感じることはなかった。
愛というものを、この時初めて感情として認識した。

空虚と、孤独と、悲しみ、絶望。。。そして、愛慕。

今度は押さえ込めなかった。
自分を落とし込まなければ氣が済まなかった。

否、これからは、自由に叫べる。

闇の底からでも叫び続けられる。

彼女を愛していると。

失ってもなお、愛し続けていると。


終わりました。(T‐T)
お疲れ様でした。(爆)

全部書き終えた、三次元の私の率直な感想。

な~に~? 別に悪くないじゃ~ん!
そんなこと氣にしてたの~?

。。。え?軽い?( ̄▽ ̄;)
だって悪くないっしょ。彼なんか悪いことした?

してないしてない。。。

。。そうか、だからかみ合わないんだ。。。メイシンの意識と、彼の意識が。(^_^;)

この後の転生で、佐守はかなりドロドロな道を選んだようですが。。
それは書きません。彼の為に。(^_^;)
そのドロドロの結果が、あの「干からびた人」事件に繋がると思ってください。

はー。。。。疲れた。寝るか。(笑)

次回からまた現代?に戻ります☆

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