(お前が壊れていくところは見せたくない)
メイシンの胸の中で、ピーコックグリーンの石は、不安気にそうに呟いた。
大丈夫だよ。
もう、あなたが癒してくれた。
彼女は胸の上から、「彼」を抱きしめ続ける。
。。。彼女は、口元を歪ませるようになった。
目の鋭さは以前にも増して強くなったから、
その異様な笑みは背筋を凍らせた。
彼女の中で何が起こっているのだ。
彼女の変化を、データから読み取ろうとした。
だが、予想とは裏腹に、
データの数値は以前とは桁違いに跳ね上がっている。
戦場での戦い方にも変化があった。
絶命寸前の相手を、息の根を止めることなくいたぶり続け、
苦しみあえぐ姿を見ては、口元を歪ませ笑う。
違う。 俺が求めていたものは。
俺が求めていたものは。
俺は彼女に、何を求めていたのだ。
彼女が狂ったように笑う回数が増えるほど、
データの数値は跳ね上がる。
当然のごとく、戦いの後、傷ついた彼女は医務室へ運ばれ、
処置が終わるとまた、冷静さを取り戻して帰ってくる。
だから気付かなかった。
あのデータ以上のものが、全てあの”医者”に流れていたことに。
医者に説明を求めると、奴はサラリと言ってのけた。
「彼女の能力が、毎回リミッターを越える。だから毎回付け直す」
奴は更に付け加えた。
「彼女の能力はとても素敵だ。
今のまま押さえておくには惜しいくらいに」
その余計な一言が、何故か癇に障った。
僅かな表情の変化を読み取ったのか、
奴は冷めた顔に薄ら笑いを浮かべた。
「あなたも喜んでいるじゃないか。
彼女をもっと強くしたいだろう?
もっと強い彼女を見たいだろう?」
そこまで聞いて、ふと、脳裏に疑問が浮かんだ。
「本当にリミッターを付けているのか?」
”医者”は、今までの凍った表情からは想像もつかないほど、
口元を引き上げ、目を見開いて笑い出した。
「あれはリミッターじゃない。”監視装置”だよ」
。。。。なんだと?
奴はさも可笑しそうに顔を歪ませながら続けた。
「私に逐一データを送ってくれる、便利なものだ。
おかげでとても楽しませてもらっている」
コイツは。。。
彼女の行動を、戦いの全てを、ひとつも漏らさず見ていたというのか。
医療部には戦いごとに戦士のデータを上げる義務がある。
だが。
腹の底から煮えくり返るような、衝動に襲われた。
自然と、腕が奴の首に伸びた。
お前も十分楽しんだろう?
アレの人を裂く快楽に酔いしれたろう?
俺たちは同罪だよ。
お前はもう逃げられない。
締め上げているのに、奴の声が頭の中でこだまする。
俺の手の中で、苦痛に歪みながら不気味に笑う、コイツは何だ。
コイツは、人の形をした何なのだ。
我に返ったときにはもう、奴の体はぐったりとして動かなくなっていた。
俺は何をしていた。
俺は彼女に、何をしてきたのだ。
ちょっとエグかったですかね?(T‐T)
この医者と佐守とのやり取りは、ホントはもっと緊迫した怒鳴りあいとかあったんですけど、
例によって、バタバタと忙しいときに早回しで見せられてしまって。
いざメモを取ろうというときには、台詞のほとんどがスコーンと欠落。。。orz
だーかーらーっ 氣使わないでいいってば!!
大丈夫だってば!
。。。とかいいつつ。昨日の記事書いたあと、胃がキリキリと痛み出して。。。
「無差別殺戮」に反応したようです。ちょっとやばかったっす。orz
佐守くん、優しいよね。冒頭のメイシンとのやり取りも、過去のリロードの合間に実際入ってきたメッセージです。傷つけたくない+嫌われたくないってのも、あるんだろうけど。。
さー、これから彼、彼女一筋になります。(笑)
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