15、6歳になる頃、氣が付いたら、精鋭部隊にいた。
壊れるまで戦った。
壊れたところを、何度も手術で補った。
失ったものは、能力に見合う臓器や、無ければ機械で補った。
自分の体が、どんどん自分のものでなくなっていった。
彼女の部隊を指揮統括していたのが、佐守だった。
彼女が壊れるたび、オペをするよう命じていたのも彼だった。
彼が、オペ自体をしていたのかは分からない。だが、命じたのは彼だ。
彼女がどれだけ瀕死の状態であろうと、もう使えないだろうと言われようと、彼はオペを続けさせた。
彼女が必ず再生することを、知っているかのようだった。
いつか、戦場に赴いたときだ。
彼女は一人で、一個大隊を切り倒していた。
山のように折り重なる屍の連なる先、紅蓮の炎に照らされて光る、琥珀の瞳。
身を守るための鎧を着けることを嫌う彼女が身に着けているのは、薄い軍服のみ。
その服も、真新しい血で赤く染まり、炎と見紛うばかりに、紅く燃えている。
研ぎ澄まされた刃には血が滴り、炎を巻く風は漆黒の長い髪を揺らす。
目の当たりにしたとき、彼は身震いした。
あの華奢な体の、どこにそんな力が潜んでいるのか。
ゾッとした。
そして表現しがたい高揚感が、彼を包んだ。
彼は、彼女の強さに魅了されていった。
普段の彼女は、他の人間とさほど変わらない様に見えた。
ただ、常に無表情で、必要なこと以外は口を開かない。
それでも、彼は戦友として、彼女と接した。
そして壊れるたびに、彼女をオペ室へと運んだ。
彼女の強さに、限界などないと思っていた。
心臓を射抜かれ、片目を失おうとも。
だが、ある日問題が起きた。
彼女は戦いに、民間人を巻き込んだ。
戦場と化した町並みに、老若男女の屍が横たわる。
彼が戦場に到着したとき、彼女は抵抗も出来ずに泣き叫ぶ若い母親と幼い子供を、何のためらいも無く切り捨てていた。
止めようと、彼女の名前を叫ぶ彼に向かって、彼女は笑った。
ニタリ、と。
心の底を氷がすべるような、不気味な笑顔で。
。。。大丈夫っすか?orz
血なまぐさいのは、今回で一段落付くと思います。
あと2回で終わらせたいな。うん。
あ~。でも今回はね~、さほどしんどくなかった。
なんでかっていうと、メイシンの心が、戦場に出る頃にはもう硬直してたんだね。
何も感じてなかったんだよ。
私的には、前回のお話の方がキツイです。orz
さー、サクサク行くか。
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