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風の小径 詩片

「今日は雨の日」│詩片

 

今日は雨の日。

雨雪の日の、北陸の主婦は忙しい。

公共交通機関の便が悪いので、
雨雪が降ると、
大抵の家は両親のどちらかが自家用車で子供の送迎をする。
大抵は、母親の仕事だ。

一箇所送迎につき、往復で約一時間ほど時間を取られる。

いつものように三男を高校に送って、

その後いつものように長男を大学に送ったあと、

買物や銀行に行こうといつもの道を車で走っていた。

自動車専用道路に入ると、車の流れは時速70キロを超える。

周りの車の流れに合わせていたら、平均速度は時速80キロ前後になる。

高速道路よりも少し遅めかな、という感覚だ。

それもまたいつもの事で、

私が運転する車が、いつもの様にいつもの速度でトンネルに入ると、聞いたことがある老いた播州弁が聞こえた。

「この辺の車の流れは早いのぅ。速いわ」

。。ああ、そうか。

お義父さん、ありがとうございました。

私が頭の中でそう言うと、老いた声の主が、少し涙ぐんだように感じた。

雨が強くなってきた。

2023/10/10 10:49

「いつか息子が建てた家に遊びに行きたい」と言っていた義父の願いは、肉体を失ってからようやく叶えられたのかもしれない。

散らかっててすいません、お義父さん。(苦笑)

2023/10/10 10:57

***

 

この記事を下書きして、三男を迎えに行くために家を出たら、

「ええ記念になるわぃ!よっしゃ行くで!」

気合いが籠った声が聞こえた。

ああ、もう天上に昇るんだな、と思った。

「眠たいか。そうか。(笑)」

「すごいな、待ち合わせしとるんか。」

運転して、三男を拾って帰る間に、義父の声がだんだん遠くなっていった。

心臓が痛くなり、背中が熱くなり、だんだんとハートチャクラが開いてきた。

完全にハートチャクラが開いたのかな、と思ったら、私のハイヤーセルフの気配がした。

もうお義父さんは行ったのかな。

セラフィナ「もう召されました」

2023/10/10 19:39

こういうのって、少しでも霊感がある人に寄ってくるんだよね。

だって、全く気付かない人の傍にいたって、寂しいじゃないですか。

私は、義父と親しかったわけではない。

直接言葉を交わしたのだって、指で数えられる程度しかない。

それでも「霊感」を頼って、最後の心残りを晴らしに、寄っていくんだな、と思った。

でもあの様子だと、私が義父の声に気づくなんて、本人は予想してなかったみたいなんですけど。(笑)

2023/10/10 20:43

 

最後まで、明るい声でした。

 

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