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風の小径 詩片

満ち消え往く扉の先 – 水瓶座満月│詩片

2023年8月2日、水瓶座満月。

何が満ちた

間違った教義を信じて植え付けられたものが次々と弾けた。

満ちて膨満となったものが暴慢となり果てた

これは運命

偽りを広め自身を欺いたものは

己の偽り通りに成った

これも宿命

手放せないものなどなかった。
ただ手放すことそのものを忘れていた。

満ちて満ちて抱えきれなくなるまで

お前たちは大きく膨れ上がり

勝手に散るのだ

これでいい。

散った先に現れる新しい扉で、
ノイズを断ち切り遮断する。

新しい扉を開けた先にこそ冀望があるのだとあなたは言った。

私にはまだ恐れがある。

それは無闇な恐れではない。

闇がそこにあるから

確実にあるから

恐れるのだ

それでも私には幸せになる権利がある。

私は既に、
幸せを得る為の権利を示す切符を掴んでいる。

その切符を与えてくれたのは

昨日弾け飛んだお前たちだった

私にはこの切符を捨てる権利がない。

流れがもうそれを許さない。

逆らえば滅びるのは

昨日壊れた娯楽の上に寝そべっていた淫靡な獣たちだけ

これは私が選んだ道ではない
昨日弾け飛んだ暴慢なものたちが
自ら手にしたカード

それが表に

曝けだされただけ

弾けた風船の中から散り落ちた泥水を眺め

吊しびとは笑う

まだ逆さまのままで

私が心から笑える日常が来ますようにと

心が開きますようにと

次回、獅子座新月。

最大公約の助走が始まる。

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