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【星紡夜話】カスタリアのほとり31・変容2

その変化も、唐突にやってきた。

珍しく、少女の方が彼より先に起きた日。
一番乗りに気分を良くして、食事の準備をしていようか、と思っていると、ダイニングのドアが開いて、彼が入ってきた。

「おはよー。今日わたしの方が早かったね」
と言おうとして、思わず息を呑んだ。

ドアの前で立っている彼の姿が、いつもと違う。

ジェレミーではない。かといって、佐守でもない。
パライバトルマリンの瞳は、佐守の時と変わらない。だが髪の色は深い茶ではなく、明るく輝き、むしろ金髪に近い。ジェレミーのそれよりも濃い金茶色が、以前よりも少し癖でうねっている。
物静かな精悍さを保ちつつ、そこに柔らかい波動を重ね合わせたように、淡い茶色の髪が朝陽を受けて金色に輝く。

少女は立ち尽くしたまま、しばらく呆然と彼を見ていた。

優しいまなざしで藍の少女を見つめながら、彼は口を開いた。
「…おはよう」
「………おはよ……」
ぼうっとした意識のまま、少女は反射的に挨拶を返した。

どうやら、パニックを起こしているわけではないようだ、と彼は彼女の様子を見て、内心胸をなでおろした。
「おかしくないか? これ」
「……ううん……」
まだ呆然と見つめている風の少女は、うわのそらで返事をしながら、彼に歩み寄った。
彼の顔を見上げる、スイスブルーの瞳が揺らぐ。
少女は手を伸ばして、輝くゴールデンロッドの髪に、そっと触れた。
「…………きれい……」
眩しそうに見上げる瞳を、彼もまた愛おしく見つめる。
「良かった。また嫌われるかと思った」
「なんで? 嫌いになんかならないよ」
言ってから、つい先日の事を思い出して、少女は少し後悔した。
「ごめん。わたし酷いよね」
佐守でなければ受け入れられない、など、ジェレミーを否定したも同じ。
彼も同じ魂の一部であるというのに。

少女には、彼の姿が何故変わったのか、全く見当がつかなかった。だが、この姿はきっと、彼の選択であったのだろう。

いつまでも、彼を見上げたまま動かない彼女の頭にポン、と触れて、彼は笑った。
「ご飯作ろうか」


。。。だって。。。すっごいキレイだったんだもん。。。.+:。(*ノωノ)゚.+:。

なんか急に姿変わったんだよね。経緯は全然わからない。
それからもう、メイったら恋する乙女モード全開ですよ。。。。( ̄▽ ̄;)
なんだかとっても幸せムードたっぷりですが、次回からちっと波乱含みになっていきます。
ま、幸せへのステップですから。(笑)

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