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風の小径 星紡夜話会員記事暫時全体公開 星紡夜話・星渉り

【星紡夜話】星渉り7・「さようなら」3

『殺してください』 マーシアがユリウスに放った言葉は、彼の最大のトラウマを呼び起こした。 彼の脳裏に、メリッサを手に掛けた時の、手の感触が蘇る。 マーシアの肩を掴む手のひらが、僅かに震えていた。 それでも、マーシアはまっ […]

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【星紡夜話】星渉り6・「さようなら」2

ひっそりと、音もなく僅かに瞬く光があるだけのサロンで、マーシアを「ここ」に留める為に、ユリウスはずっと彼女を抱きしめ続けていた。 マーシアから伝わる、苦しく熱い感情の痛みを受け取りながら、ユリウスは呟く。 「何故未だに、 […]

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【星紡夜話】星渉り5・「さようなら」1

「。。何故こんな事を言うか分からないか」 「。。。ごめんなさい」 ユリウスが投げかける言葉に対して、マーシアは俯いて膝の上のグラスを見つめたまま、二つの意味で謝った。 一つ目は、彼の言う通り、はっきりと理由が分からない事 […]

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【星紡夜話】星渉り4・宴の夜

「まぁ。。」 完成した「サロン」に一歩入るなり、マーシアは感嘆の声を上げた。 艶のある、落ち着いた渋色の床板が一面に広がる。家具はその床色に見合う、落ち着いたアンティーク調で統一されていた。海の色を思わせる、使い古された […]

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【星紡夜話】星渉り3・造成

物を「作る事」に関しては、どうやらユリウスよりもメリッサの方が優れているらしい。 彼女は何かを「創造」する時に、愛用の杖を使う。 魂本来の性質を取り戻した後のメリッサは、以前握っていた闘剣から、この「創造の杖」に持ち替え […]

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【星紡夜話】星渉り2・改装

古い板張りのテラスに立って、ユリウスは一人思案していた。 ダイニングキッチンと同じくらいの広さはある。 東にカウンターをしつらえて、後はソファセットを置ければ良い。 吹きさらしのベランダのようなテラスの手すりを外して、ガ […]

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【星紡夜話】星渉り1・居場所

先日のこと。 ユリウスが唐突にこんな事を言い出した。 「バーカウンターを作ってもいいか」 あ?(笑) ジェレミーは、ダイニングテーブルで一服していた所を、ユリウスににじり寄られた。 ユリウスが頼み事をする時はいつもそうだ […]