(※この物語は、佐守の主観で書かれています。場所や組織の設定などは確証がありませんので、そんな感じなんだ~と受け取っていただければ幸いです)
「面白いものが手に入ったらしい」
噂の元は、医務室から流れてきた。
どうせまた、悪趣味な連中の玩具だろう。
その時は、気にも留めなかった。
それよりも、次の作戦を形にしなければ。
そんな噂話をとうに忘れた頃、突然、自分のチームに人事があった。
まだ幼さの残る、黒髪の華奢な少女。
開いた口が塞がらなかった。
上は何を考えている。
野獣の群れに子ウサギを放つつもりか。
抗議に行ったら、資料を一揃い見せられた。
───何だこれは。
今まで見たこともない数値に戸惑った。
これが本当に、あの少女のデータなのか。
だが事実、彼女の実力はデータに比類していた。
何度も彼女の戦いを見た。
戦うたびに、強さは増し、研ぎ澄まされる。
その姿に魅せられた。
彼女の治療担当は、研究所から来た”医者”だった。
傷ついた彼女を、毎回完璧に治してくれた。
どんなになろうと、必ず元通りだ。
だから何も感じなかった。
彼女は限りなく無口だった。
必要な問いにすら、億劫がって答えない。
作戦に関係のないことを口にすると、刃が飛んでくることもあった。
彼女の行動は全て把握していた。
それは全て、データとして上げられた。
自分はそのデータに満足していた。
作戦通りの動き、予測以上の成果。
そして治療のたびに引きあがる実力。
だが、その甘美な状況は、予告なく終わりを告げた。
命令違反に軍規違反。街に降りての無差別殺戮。
彼女は何故、あの街に降りたのだ。
「闇に誘われた」
チームのメンバーはそう答えた。
街へ降りた闇を追いかけたのだと。
。。。惑わされた?
敵とそうでない者の区別が付かなくなったのか。
医務室から出てきた医者を捕まえて問いただした。
「彼女の力を制御していたリミッターが外れたので、強化したものを付け直した」
医者はそう言った。
そうであるなら、問題はないだろう。
だがその時から、彼女の表情が微妙に変化していくのに気付いた。
今まで見たことのない、奇妙な笑みを、彼女の顔に見るようになっていった。
チャネリングしたときの、ほぼ原文です。ちょっと表現は加えてますが。
佐守くん、私に随分氣を使ってくれました。
私が家事やら用事やらでバタバタ動き回ってるときに限って、「お話」を降ろしてくるんだよね。。
いや、いいから。そんな氣使わないでいいから。書かないと忘れちゃうから!(爆)
。。。次回、少しずつ緊迫していきます。(笑)
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