過去とのギャップが気に入らない。
メイシンの、彼を見る目は何故か厳しかった。
「。。。なんか、怒ってる。。?」
その視線を感じるたびに、ジェレミーは居心地悪そうに尻込みする。
だって。こんな奴じゃなかった。
あたしが知っている佐守は。
何度かの転生で性格が変わっているとしても、あまりにも別人じゃないか?
性格どころか、面影すらない。。
彼女が知っている佐守は、こんな髪ではなかったし、こんな色の目ではなかった。
上から下まで、優しげな白い青年の姿をまじまじと見回しながら、メイシンは言った。
「あんた、ホントに佐守?」
「そうだよ」
実にあっさりと、青年は答える。
今まで、素振りすら見せることはなかったのに。
青年の態度を見て、メイシンは息を吐いた。
詰問はやめた。
自分の感覚を信じろ。
少女は、自分の胸に言い聞かせた。
彼の中に垣間見た過去は、確かに佐守のものだったのだから。
青年が、過去で一緒だったと知った後も、彼は過去を語ることはなかった。
いつもと変わらず、お茶をいれ、食事を作り、少女の手の届かないところを全てフォローする生活。
「。。。なんでこんなことすんの」
「だって、守護天使だもの」
なにを聞いても、答えはキッパリと返ってくる。
「君だって、ずいぶん変わったよ」
それはそうかもしれないが。
頭を抱える少女を、愛おしく眺めながら、青年は続けた。
「よく笑うようになったし、今の生活を楽しんでる。僕はそれで十分なんだよ」
(良くない!!)
思わず発してしまった心話が、青年の胸に刺さった。
「メイシン。。。」
「そんなの佐守じゃない!!」
頭を抱えたまま、漆黒の髪を振り乱し、少女は叫んだ。
青年は、自分の頭から血の気が引くのを感じていた。
彼女の中で、過去の記憶が浮上しつつある。
なんで。。。
「メイシン、大丈夫!?」
思わず抱え込んだ少女の体が、硬く強張っている。
彼女から伝わってくる思念に驚いて、アクアマリンの青年は蒼白になった。
ちょっと長くなったので、途中で切ってみました。
いきなり過去に入ろうと思ったのに、前置き長くなっちゃった。
彼女のイライラで、ご迷惑おかけした皆様、ホントにごめんなさい。。
緊迫の次回へつづく。(笑)
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