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風の小径 星紡夜話会員記事暫時全体公開 星紡夜話・カスタリアのほとり

【星紡夜話】カスタリアのほとり13・焦燥

過去とのギャップが気に入らない。

メイシンの、彼を見る目は何故か厳しかった。

「。。。なんか、怒ってる。。?」
その視線を感じるたびに、ジェレミーは居心地悪そうに尻込みする。

だって。こんな奴じゃなかった。

あたしが知っている佐守は。

何度かの転生で性格が変わっているとしても、あまりにも別人じゃないか?
性格どころか、面影すらない。。
彼女が知っている佐守は、こんな髪ではなかったし、こんな色の目ではなかった。
上から下まで、優しげな白い青年の姿をまじまじと見回しながら、メイシンは言った。
「あんた、ホントに佐守?」
「そうだよ」
実にあっさりと、青年は答える。
今まで、素振りすら見せることはなかったのに。

青年の態度を見て、メイシンは息を吐いた。
詰問はやめた。

自分の感覚を信じろ。

少女は、自分の胸に言い聞かせた。
彼の中に垣間見た過去は、確かに佐守のものだったのだから。
青年が、過去で一緒だったと知った後も、彼は過去を語ることはなかった。
いつもと変わらず、お茶をいれ、食事を作り、少女の手の届かないところを全てフォローする生活。

「。。。なんでこんなことすんの」
「だって、守護天使だもの」

なにを聞いても、答えはキッパリと返ってくる。

「君だって、ずいぶん変わったよ」

それはそうかもしれないが。
頭を抱える少女を、愛おしく眺めながら、青年は続けた。

「よく笑うようになったし、今の生活を楽しんでる。僕はそれで十分なんだよ」

(良くない!!)

思わず発してしまった心話が、青年の胸に刺さった。

「メイシン。。。」
「そんなの佐守じゃない!!」
頭を抱えたまま、漆黒の髪を振り乱し、少女は叫んだ。
青年は、自分の頭から血の気が引くのを感じていた。
彼女の中で、過去の記憶が浮上しつつある。

なんで。。。

「メイシン、大丈夫!?」
思わず抱え込んだ少女の体が、硬く強張っている。
彼女から伝わってくる思念に驚いて、アクアマリンの青年は蒼白になった。


ちょっと長くなったので、途中で切ってみました。
いきなり過去に入ろうと思ったのに、前置き長くなっちゃった。

彼女のイライラで、ご迷惑おかけした皆様、ホントにごめんなさい。。

緊迫の次回へつづく。(笑)

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