カテゴリー
風の小径 星紡夜話会員記事暫時全体公開 星紡夜話・カスタリアのほとり

【星紡夜話】カスタリアのほとり11・忠告

大天使に突然言い渡された言葉が理解できず、メイシンは目を瞬いた。

「戦闘教官?」
そう。と、ミカエルが頷く。
「お前、三次元に迷惑かけてるのが分かるか?」

。。。かけたっけ?

頭をかいて目を逸らす少女を見て、大天使の不敵な笑みが閃いた。
「証拠ならあるぞ」
言いながら、びらっと目の前に広げたのは、最近メイシンが手に入れた、真新しい黄色のチュニックだった。

バッと、勢いよく腕を伸ばして、少女は服を奪い返す。
「。。。いいじゃん! ひつきだって喜んで着てるじゃないか!」
「ま、これくらいなら害はないけどな」

三次元の本体が、自分を中心に置けずにお前と繋がったら、どうなるかわかるだろう?

いつになく口やかましいミカエルに、メイシンは口を尖らせた。
「それはひつきに言うことじゃないのか?」
「どちらにしろ、欲しいものは自分で買え」
「それと戦闘教官と、何の関係があるわけ?」
「大有りだ。働かなきゃ金はもらえんだろう」

お前に出来ることといえば、戦うことくらいだからな。

大天使のお小言を聞きながら、少女は心の中で舌を出した。

(悪かったな~ぁ。。)

ミカエルのサファイア色の瞳が、フン、と再び不敵な笑みを見せる。
「氣が向いたらトレーニングセンターに来い。どうせ暇だろう?」

一言多いんだよ。

胸の中で悪態を付きつつ、メイシンはしぶしぶ大天使に尋ねた。
「そのトレーニングセンターって、どこにあんの?」
ミカエルは、長い指を金髪の額に当てながら、
「ここでの移動は『イメージ』だ。いい加減覚えろよ」

アイアイサ~。。と、適当に敬礼しつつ、やる気のない返事を少女は返した。

一通り言うだけ言うと、ミカエルはつかつかと玄関へ向かった。
ドアを開けようとして、ふと気付いたように振りかえる。

「それからな、今度会うときはもう少しマシな格好で出て来い」

言われて、少女は改めて自分の格好を顧みた。
丁度風呂上りで、薄いキャミソールにショーツだけ。肩にタオルをかけ、髪もまだ濡れたまま。

確かに、大天使に会う以前の問題である。(。。。自分で言うかorz)

「あんたが風呂上りに来るのが悪いんだろ! タイミング見計らえよ!」
「四六時中、風呂で伸びてる奴のタイミングを見計らってこれなんだ。お前こそ氣を使え」

捨て台詞を残し、ドアも開けずに消えてしまった大天使の残像を、琥珀の瞳は睨み付けた。

のしのしとドアに近づき、勢いよく戸を開けると、彼女は空に向かって思い切り声を張り上げていた。

「自分の家でくつろいで何が悪いんだーーーーーーーーーーーっ!!」


天使漫才。。。てな感じのお話でした。( ̄▽ ̄;)
すっかり上の人に操られてさ~。。買っちゃったよ。おニューのチュニック。orz
いや、すごい気に入ってますけどね。。

。。。え? あの人?
次、帰ってきます。えぇ。必ず。(^_^;)

コメントを残す