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風の小径 星紡夜話会員記事暫時全体公開 星紡夜話・カスタリアのほとり

【星紡夜話】カスタリアのほとり8・記憶

そこは、果てしなく闇の広がる世界。
光るものは何一つなく、ただ、もしあるのならば「無」だけが存在するかのような場所。

マーシアは、ゆっくりと下へ降りていった。

闇が、体にまとわり付く。

底なし沼に沈んでいくように、飲み込まれ、消えてしまいそうな感覚が心を襲う。
自分の指先すら見えない闇の中で、彼女の心は震えた。

「私は。。。誰ですか?」

ねっとりと湿った風で、闇は答えた。

光を、全て出しつくす少女の姿。
水の中に沈む感覚。
望郷の思い。

彼女の脳裏に閃いたのは、忘れていた魂の記憶だった。

じっと白い壁を見つめ、立ち続ける老人の視界に、白い少女が再び現れた。
ねっとりと、糸を引くように壁から抜け出してくる。

マーシアが一息つくのを見計らい、執事は声をかけた。
「お疲れ様でした。お茶はいかがですか?」

緑の風がそよぐ、巨木の下。
彼女は再び、そこに立っていた。
執事のお茶と言葉に心励まされ、再びここに帰ってきた。

透明の羽で、ふわりと羽ばたく。
巨木の枝の間を、ゆっくりと蛍火が上がっていく。
誰にも見つからないような、枝のひとつに降り立つと、彼女は幹を抱きしめた。

ありがとう。

。。。ありがとう。。ありがとう。。
。。。帰ってきたね。。
。。。ありがとう。。。

木霊の静かな声を聞きながら、彼女の体はすうっと空に消えていった。

木々の間から見える丸い空。
小さな青い泉。
マーシアは、カスタリアに戻ってきていた。

鏡のような静かな水面に、白い顔が写っている。

「私は、何故ここにいるの」

胸の奥で、静かに言葉が発せられた。
彼女の言葉に、答えるものはいない。

「私は、何故、生きているの。。」

彼女が見つめる悲しげな顔に、水滴の波紋が広がった。
波紋が広がるにつれ、堪えきれず、マーシアは胸を押さえて嗚咽した。

静かに、静かに、波紋は広がり続ける。


前回書き忘れましたが、これは「アカデメイア」に行った時のお話です。

マーシアさんから妖精の羽が出てきたときはびっくりしました。
以前わたしが、ドリーン・バーチュー博士のアースエンジェルテストをやったときは、

宇宙人5
天使4
妖精4
。。の割合で、結構点数高かったのですよ。
でも妖精の記憶ないよなぁ~と思ってたら、なんとこれで証明されちゃった。
天使の羽は持ってたけど、妖精の羽も持ってたとはね~。。
やっぱ、過去で妖精もやってたんですね。

今回、あんまり詳しくかけなくて。。書こうとするとディープスリープにハマりそうになったので、さらっと書いてみました。
さらっと。。。いや。。かなり時間をかけて、さらっと。(笑)

てゆーか、三次元の私、あんまり感知できなかったんです。
あ~こんな感じか~と思って、帰ってきたら、いきなりマーシアさん泣き伏しちゃって。
え~?泣いてる。なんで~?(爆)
そんな感じでした。(^_^;)

さーて、やっと次に進める。ふぅ。

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