クリロズでの出版記念ライブが終わった翌日。
三次元のひつきは、例によって好転反応で腹を壊していた。
そしてなぜか、ひつきの夫も、朝おきぬけにトイレに往復。
メイシンは首を傾げていた。
昨夜ライブに行ったのは、自分と、ジェレミーの二人だけ。
三次元の本体であるひつきが直接クリロズに行くと、おまけで子供までくっついてきて、翌日子供が喘息になるというアクシデントがあったので、今回からはハイヤーであるメイシンに行ってもらおう、という企画だったはずなのだが。
何故今度は、夫が具合悪くなるのだ。
嫌な予感が、彼女の脳裏をよぎっていた。
「昨日は楽しかった?」
メイシンの家を訪れたジェレミーが、窓枠に座っている少女ににっこりと笑いかけた。
少女は、青年の言葉には答えない。
少しの沈黙の後、少女は琥珀の瞳を、恐る恐る青年に向けた。
「あんたさ。。もしかして。。。。。ひつきの夫?」
「そうだよ」
琥珀色の目が、点になった。
予想していた事ではあったが、目の当たりにすると、声が喉で詰まって、息ができない。
「あれ? 知らなかった?」
アクアマリンの青年は、のほほんと金茶色の髪を掻いた。
少女の驚いた顔が、意外だったらしい。
メイシンは、やっとのことで、全身から息を吐き出した。
「。。はぁあああぁ~っ!?」
それ以降、なぜか彼は彼女の家に居ついていた。
それはメイシンが無意識に許可したからに過ぎないのだが、三次元での疑問がきっかけになったに違いない。
やがて、事件は起こった。
否、カスタリアでは何事もなく平和な日常が続いていた。
それが災いした。
「ちょっと、ジェイ」
メイシンが、キッチンで皿を洗っていた青年を睨み付けた。
「下(三次元)で、困ったことになってるんだけど」
「困ったこと?」
上での結びつきが強くなってしまったため、下での結びつきも当然強くなった。
それ自体は悪いことではない。
ただ、三次元の本体が、結びついた相手の感情を今まで以上に敏感に感じ取れるようになってしまい、不快な感情を受けたときの処理に困っているのだ。
「あんたさ、三次元でお金落としただろ」
「。。。そうみたいだね」
「そのイライラが、あたしの本体に「伝染」してるんだよ!」
「イライラしてるかな、僕?」
たじろぎながら微笑む青年に、少女は畳み掛けた。
「そうやって表に出さないから、こっちは余計に苦しむんだよ!
自分の処理が終わるまで、あたしのテリトリーから出てけ!」
びしっと、入り口のドアを指差して、青年に三行半を下す。
アクアマリンの瞳が、僅かに潤みはじめた。
カスタリアでの二人の生活は、幸せなものだった。
何の不自由もなく、穏やかで平和な毎日を喜んでいた。
がっくりと肩を落とし、外へと向かう白い背中を、メイシンは痛い思いで見つめた。
「。。。ほとぼりが冷めたら、戻ってきていいからさ」
小さく呟いた言葉を、青年は聞きとめて立ち止まった。
黒髪の少女を振り返る瞳に、悲しみが溢れている。
「。。そんな顔すんなよ」
言うなり、メイシンは青年の胸を抱きしめた。
(嫌いになったわけじゃないんだから)
彼女の心の声が、彼の胸に届いたろうか。
青年はアクアマリンの瞳を閉じて、漆黒の髪を抱きしめた。
怒涛の更新第3弾(多分今日はこれで打ち止め)。。
。。。
。。なんですか、この夫婦漫才は。( ̄▽ ̄;)
いつの間にこんなことになったんですか。えぇ?
ていうか、お金落としただけでそんな大げさな(笑)
いやでもね、身近にいすぎるのも、結構大変なのよさ。。
今回は、私自身がどうしようも出来なかったので、上でこういう風にしてもらったんだけども。
もっと自分を鍛えなきゃ~。。と思うと同時に、
ダンナにこの事実を伝えるべきか?
。。というところで、悩んでたりします。orz
喜ぶだろうなぁ。。上でも一緒だなんて。。。( ̄▽ ̄;)
いや、そもそも、フツーのワークショップで守護天使に出会うワークをしてて、出てきたのが自分の夫のハイヤーって、そんなのアリですかっ!?
そんな人います!?
いたら教えて。。お願い。orz
あ、次回からは、マーシアさんのお話になりま~す。
え?ジェレミーってこのまま??
。。。哀れなジェレミー君に、どなたか愛のエールを☆(笑)
※2021年12月1日追記※
現在のジェレミー=セラを見てれば明らかですが、ジェレミーは日月の夫の上の人ではありません。当時の私の勘違いです。が、魂的に見て「自分の魂の片割れ=魂的には自分の夫(自分の男性性)」という事になりますので、ジェレミーの返答も間違いではありません。
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