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【星紡夜話】カスタリアのほとり2・憧憬

「会いに行ってみる」
唐突に、メイシンは口走った。
目を見張る青い瞳を背にして、”佐守”に焦点を合わせようと振り返ると、

目の前に、金髪の大天使が立っていた。
大天使は表情を動かさず、琥珀の瞳に言う。
「まだ早い」
「なんで」
「早いと言ってるだろう」
「だから何でよっ」
「ミカエル様」
蒼い髪が、メイシンのすぐ後ろで、ふわりとひざまづいた。
「私も、会いたいのです」
意外な言葉に、内心驚いたのはメイシンだった。

彼女にも、会いたい人がいる。
再会のための糸口が、メイシンの「想い人」にあるのなら。
彼女の心は、意外なほど真摯だった。

「マーシアだね」
いつになく柔らかい音色で、ミカエルは蒼い髪の少女を呼んだ。
彼女の前に歩み寄り、立ちなさい、と手を差し伸べる。
「今はまだ、時期ではないのだよ。時が来れば自ずと会える。あせらないことだ」
優しい瞳に諭され、マーシアは静かに目を伏せた。泉の、清い水面が見える。

ここで出会った人。ここで語り合った人。
静かな微笑が、ほんのり憂いていたのを、今でも鮮明に見ることが出来る。

もう一度、大天使が差し出す右手を見上げた。その手を借りることを、恐れ多く感じながら、そっと自分の手を預ける。
その手のひらから、光の洪水のように、あふれるエネルギーが彼女の手に流れ込んだ。
それは一瞬のうちにハートを満たし、胸を焼くような恍惚感が彼女を包み込む。

寂しい思いは必要ない。
お前も、お前が待つ人も、等しく愛されているのだから。

大天使の無限の愛を感じながら、マーシアは立ち上がった。
見上げる空色の瞳に、もう曇りは無かった。


どこまで書こうかなと迷いつつ。。。(^_^;)
書いてるうちに、自分でも新しい発見があるから不思議。
「書く」って大事ですね。

ていうか、いきなり現れたよこの人→( ̄ー ̄)
ホントに不意打ちだったもんで、メイシン思わず「げっ( ̄□ ̄;)!!」ってなってたから。(笑)
その後マーシアと二人芝居になっちゃったから、彼女不貞腐れてブツブツ言ってました。

「あんたたち、あたしのこと忘れてるだろ(。-ω-)」

って。( ̄▽ ̄;)

この「会いに行く」話題はとりあえず一区切りです。
続きはまたのちほど。

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